5月1日 水俣病啓発の日 : 今日は何の日 毎日記念日いろいろ
5月1日今は何の日でしょう?

水俣病資料館にある、水俣メモリアルの一部「祈りの噴水」
(画像引用wikipedhia)
5月1日は「水俣病啓発の日」です。
1956年の5月1日に熊本県水俣市の保健所へ、水俣市内にあるチッソ附属病院から原因不明の奇病の報告があり、これがきっかけとなって水俣病が広く知られることになったことに因んで、50年の節目になった2006年に記念日として制定されました。
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現在でも多くの人が苦しんでいると言われている水俣病。
実際に水俣病と認定された人は、2268名で、すでに1600名以上が亡くなっていますが、現在でも新しく症状を訴える人が増えていて、実際の患者数は10万人を超えるのではないかと言われています。
日本の四台公害病の1つと言われている水俣病ですが、その原因はいったいどんなものだったのでしょうか。
水俣病の原因となったのは、工場からの排水に含まれていたメチル水銀でした。
メチル水銀を含んだ排水が流れ込んだ水俣湾で、プランクトンがメチル水銀を体内に取り込み、そのプランクトンをどんどんと大きな生物が食べていく食物連鎖によって、生物濃縮して、汚染されているとは気が付かずに不知火湾沿岸の熊本県及び鹿児島県の住民が魚を食べてしまったことによって発症したメチル水銀中毒症です。
環境汚染が食物連鎖によって人体に大きな影響を及ぼした人類史上最初の公害病となりました。
日本の高度経済成長期に発生したことから、公害の原点とも言われています。
また工業災害による犠牲者の人数が多いことでも有名です。
メチル水銀によって中毒症が引き起こされると、主に中枢神経系が冒されてしまいます。特に妊婦がメチル水銀を摂取することで、胎児の神経系の発達に大きな影響を与え、生まれつき障害を持った子供が産まれることがあります。
初めて症状が報告されたのは1956年でしたが、原因物質が特定されたのは1968年になってからでした。
原因となる物質を排出していたチッソはなかなか原因であることを認めずに、また被害を被った人達が国を相手にして起こした裁判も長期に及び、2004年まで裁判が続くことになりました。
現在では水俣湾の海水も浄化され、1997年に漁も再開され、すでに新しくメチル水銀に汚染される人はいなくなっていますが、今までに体内に蓄積されたメチル水銀によって新しく発症する人はまだまだいるとのこと。
文化の発展のためには経済の発展は不可欠なものですが、それがこういった人々の苦しみを大きくするようなものになってしまことだけは、避けたいものですね。
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