3月30日 マフィアの日 : 今日は何の日 毎日記念日いろいろ
3月30日今日は何の日でしょう?
3月30日は「マフィアの日」です。
1282年の3月30日にイタリアのシチリア島で「マフィア」と言う言葉の由来になったとされている、「シチリアの晩鐘事件」が発生したことに由来しています。
マフィアと言うのはイタリアのシチリア島を起源とする組織犯罪集団です。
グループはファミリーと呼ばれ、20世紀末に確認されているだけでも200近いグループに約4000人の構成員がいると言われています。
このマフィアの語源ともなったともされているシチリアの晩鐘事件と言うのは、当時フランス王族系のアンジュー家に支配されていたシチリア王国で起きた事件でした。
アンジュー家はイタリア系住民に対して、強引な食料や家畜の調達などを行っていました。
その上、アンジュー家の兵隊が女性に暴行したことに住民の怒りが爆発し、住民が暴徒化しました。
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これをきっかけに、王室だけではなく、フランス系住民全般に対して不満を抱えていたイタリア系の住民たちの怒りが爆発し、4000人ものフランス系住民が虐殺されたと言われています。
「マフィア」の語源になったのは、この事件の時のイタリア系住人の合言葉「Morte alla Francia Italia anela」(フランスに死を、これはイタリアの叫びだ)の頭文字をとったものだ、という説があります。
イタリアの国語辞典にはマフィアの語源は「乱暴な態度」であると記されていることから、これは後世の創作である可能性が高いと言われていますが、それほどまでに後世に与えた影響は大きい事件だったようです。
文献などではっきりとマフィアと言う言葉が確認できるのは16世紀頃からのことです。
もともとは中世にシチリアに登場したガベロットという農地管理人でした。
ガベロットは農地を守るために武装し、農民を搾取しながら政治的支配者らと密接な関係を結んでいきました。
19世紀に入ってシチリア島がイタリア王国に統合されましたが、シチリアの住民たちは歴史的にフランス人やスペイン人と言った外国勢力に支配され、圧迫されてきた記憶から、政治や政府に対して大きな不信感を抱いていました。
このことにより、ガベロットを中心として、住民同士での互助意識を強め、組織化していき、外国人支配者に対する抵抗や、中央政府に対する反発を強めていきました。
また時代的にも、保守的な宗教勢力や、労働運動の勃興、ファシズムの広がりによる社会の混迷といった、マフィアが暗躍する素地が出来上がっていきます。
20世紀に入ると労働運動を扇動して会社や政治への関係を強めていきますが、ムッソリーニ率いるファシスト政権の台頭により弾圧され、一時期壊滅的になります。
しかし、イタリアでは壊滅状態に陥ったマフィアが、今度はアメリカで勢力を伸ばしていきます。
18世紀から19世紀にかけてイタリアからも移民としてアメリカに多くの人が渡りました。
しかし、先に移住をして開拓の主導権を握っていたイギリス系やドイツ系の移民たちから大きく後れを取り、イタリア系の移民は社会の底辺に置かれてしまいました。
そこで民族の結束を強めて、イタリア系住民がアメリカマフィアを形成するようになります。
すると第二次世界大戦中に対イタリア工作のためにアメリカ政府によってアメリカマフィアは利用されました。
そしてアメリカマフィアがイタリアへ逆輸入される形で再建されて、現在に至っています。
マフィアと言う言葉は現在は犯罪組織の代名詞のように使われていますが、もともとは「美しさ」「名誉ある男」「勇気ある人」という肯定的な意味で使われてきた言葉です。
現在では合法的なビジネスも行いながら、麻薬取引や暗殺などの犯罪も行いますが、売春と賭博は「名誉ある男」が行うものではないとして、ご法度とされているとのこと。
またファミリーの結束がとても強く、裏切者には凄惨な制裁が科されるとのこと。
犯罪組織でありながら、何度も映画化され、世界中の人々に愛され続ける理由はそんなところにあるのかもしれませんね。
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