3月20日 電卓の日 : 今日は何の日 毎日記念日いろいろ
3月20日今日は何の日でしょう?
3月20日は電卓の日です。
1974年の3月20日に電卓の生産量が世界一になったことを記念して、日本事務機械工業会(現在のJBMIA)が制定しました。
特別、理工系や金融関係のお仕事についていなくても、普段の生活の中で細かいことを計算しなくてはならない場面ってたくさんありますよね。
日常のお買い物でも、きちんとしている人は買うものを決めたら、予算を立てて、どうすれば予算を最大限に生かしたお買い物ができるか、計算をしながら頭をひねります。
でも計算をするのはちょっと面倒臭いですよね。
そんな時にとても便利なのが電卓です。
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電卓には小学校で習うような、四則演算だけができる簡単なものから、税金や原価率といった商売をしている人に欠かせない計算ができるもの、科学や工学系のお仕事に絶対に必要になってくる複雑な三角関数や対数が計算できる関数電卓、お子さんの計算練習ができるように、計算ドリルが内蔵されているものなど、さまざまな種類があります。
電卓が登場する以前から、機械式の計算機は様々なものが発明されてきましたが、みな形が大きくて、持ち運びができるようなものではありませんでした。
ところが半導体の小型化に成功した1960年代に入ると、卓上計算機が次々と登場します。
1960年代後半から70年代になると価格破壊が起きて、計算機は一家に一台、一人に一台、と言う時代がやってきます。
日本で最初に国産の電卓が販売されたのは1964年の事でした。
当時の早川電機(現在のシャープ)が53万5千円で発売しました。
これは当時の新車の価格とほぼ同等だったようです。
現在から考えると、とても高いように思われますが、当時の機械式計算機は軒並み50万円代であったことと、安価なラジオ用のトランジスタを使うなどの工夫を重ねたのですが、どうしても50万円を超える価格となってしまいました。
大きさも重量が15kgから20kgと卓上にはおけるものの、持ち運びができるようなものではありませんでした。
その後も徐々に価格は下がってきたものの、トランジスタとダイオードを使う方式では限界があり、十万円単位がしばらく続きました。
ところが1966年にICを使ったものが登場し、1960年代後半から一気に価格破壊と小型化が進むと、1971年には単3電池によって動かせる重量わずか300gのポケットサイズの電卓が登場しました。
まだこれは価格が9万円近くと一般の人にとっては高額でしたが、それまでの自動車1台分の値段からは一気に安くなりました。
1972年にはカシオからカシオミニが12800円で発売されると、個人でも手軽に電卓を持つことができる時代が到来し、1年5か月の間に200万台を売り上げる大ヒット商品となりました。
1974年には日本での電卓の生産台数は1千万台を突破し、世界一を達成すると、更なる価格破壊は続き、1975年には1台5千円を切るようになりました。
この頃になると、低価格化による市場淘汰が進み、メーカーの撤退や倒産が相次ぎ、シャープやカシオと言った現在でも続いているメーカーに集約されていきます。
使いやすさの追求と、小型化、低消費電力化、低価格化を実現するためには、メーカーのたゆまぬ技術開発が必要でした。
電卓の開発によって世界を席巻する技術を確保したことは、その後の日本のエレクトロニクス産業の隆盛の礎となったものです。
今ではスマホや携帯電話にも入っていて、100円ショップにも売られているような、身近で誰でも簡単に使うことができる電卓ですが、その開発の陰には技術者たちの膨大な努力の積み重ねがあったと言うことを心に刻んでおきたいものですね。
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